孤独な老人は自分だけではない

・元上司の爺さんはフラつきながら帰っていきました。

かつては同じ会社で上司と部下の関係で、けっこう陰湿なイヤミとか叱責を受け、

ストレスのかかる存在でした。 👿

しかし、今この老いた姿を見ると、ものの哀れを感じざる終えません。

明らかに崩壊へと突き進む物体がそこにはあるのです。

・翌日、なんとか婆さんは起き上がることが出来たようで、

マンション管理人室に現れました。

いつもの定食屋で二人で昼飯を食べ、私は焼き鳥屋へ直行。

そして、夕方になったのですが、元上司の爺さんは現れませんでした。

ほぼ毎日夕刻に現れ串三本と生中一杯、これは決まり事でしたがね。

少しばかり体調が気にはなりましたが、

もはや上司でもなく、うっとうしい存在でもありません。

直接被害を被ることは何も無いのですが、逆に一人の老人として気にはなります。

しかし、どこに住んでいるのかすら分かりませんしねえ。

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