儲かるほどに垣間見える欲深さ
・婆さんの息子が焼き鳥屋オープンしました。
一度焼き鳥屋経営で失敗しましたから、再起をかけて策を練っていたようです。
その点感心します……というか、当たり前でもありますがね。
これで、同じ商いしているのであれば、バカの極みです。
しかし、彼は失敗をバネに強く生まれ変わったのです。
奥さんが入院中のためお金も必要です。
婆さんを見返してやろうという思いも当然あるでしょう。
・かくして鬼のように働き始めたのです。
インバウンドの風に乗り、今乗りに乗っております。
スタッフもそれなりのきれいどころを集めておりますし、英語にも対応できています。
つたない妻の指導もありましてね。
商売繁盛は喜ばしいのですが、
突き詰めればそれは彼の問題なのです。
そして、その分我々スタッフがきついのです。
・それに、突然店主として経営者風を吹かせはじめましてね。
今や、自信の塊に豹変したのです。
まだオープンからさほど時間も経たないのに、完全に上から目線でね。
スタッフはあきれるばかり!
一人浮いているのです。
しかも、その現実に気付いていない。
婆さんが奇しくも言っておりました。
あの子はすぐ勘違いして突っ走ってしまうから心配だとね。
まあ、潰れるよりいいんだけど、人が先に潰れてしまいそうでね。
この野郎!