人のどろどろした部分を垣間見る

・バイトをやめたことは友人たちには黙っていました。

なぜなら、話すとやめた理由を聞くに決まっているからです。

悔しい気持ちとか、何となく感じる陥れられた感、それにわだかまりが噴出するに決まっています。

なのでこの件に関しては触れられたくないという気持ちだったのです。

しかし、バイト先の焼き鳥屋に飲みに来ていた連中、いや飲みに来てくれていた連中です、

ある日突然私がいなくなれば、当然不審に思うに決まっています。

店のスタッフに聞いても、適当にはぐらかすに決まっていますからね。

すると、最後は本人に確認しようと！

・やはり、電話がかかってきました。

元同僚のＳ山さんからです。

いつもの近所の居酒屋で飲むことに……

所定時間に出向くと、他に常連だったＷジジイやＰ谷さん、それに商店街の常連たちもいましてね。

10人以上いたのには驚きました。

急に黙ってやめるなんて水くさいだろうと口々に言うものだから、ちょっとばかり感激しました。

私も何もなければやめる予定もなかったわけで、経緯は説明しました。

・すると、常連の一人が驚きのうわさを披露しましてね。

スタッフの一人が言うには、私が店の金に手をつけたといううわさがあるんだとか！

即座に全否定しておきましたがね。

でもねえ、以前から店主が店の売り上げが合わないとぶつぶついってるのを聞いたことも……

その辺の真偽とうわさが繋がりがあるのかどうか分かりませんが、

私が手をつけたなんてどういうこと？

飽くまで又聞きのうわさですから、それにしても気分悪いですわ！

もうやめてしまった店のことだから、なんでもかんでも私を悪者にしているんでしょうけどね。