老いても切れない腐れ縁

・婆さんが体調不良で昨夜来寝ていることは、焼き鳥屋の息子には話しておきました。

このところずっと良くないようだというのです。

昼飯は定食屋で一緒に食べていたのですが、気付きませんでしたがね。

息子の奥さんもやっと退院したので、夕方様子を見てきて貰うとのことで、

この件は一応私の手から離れました。

・ところで、焼き鳥屋オープンから少し時間が経ちました。

このところやっとペースというものがつかめてきましてね。

気持ちに少し余裕も持てるようになりました。

すると、店内も落ち着いて広く見渡せるというか……

中には、毎日通ってくださるお客さんもいましてね。

以前やってたころの客がまた戻ってきてくれたり、

新しいお客もいるのですが……

その中にどこかで見たことのある爺さんが一人いまして、

なかなか思い出せなかったのですが、やっと記憶が蘇りました。

サラリーマン時代の元上司でした。 😆

老け込んでいたので気付きませんでしたが……、

出来れば思い出さないままでいたかったのですがね。

なぜなら余り折り合いが良くなかったのです。

けっこう同僚の面前で叱責されて恥かかされましたが、

私も仕事できない部類でしたし、もう忘れたい過去です。

今のところ向こうは気付いていないようだし、しばらくは知らんぷりです。

しかし、毎日やって来るわけで、ひょっとしたらこの近所に住んでいるのかもしれません。

かなり気にはなります。

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