いきなり窮地に陥る
・マンション管理人の仕事は本日も粛々と続けております。
年金生活者の私にとって貴重な収入源ですから、石にかじりついても続けなければなりません。 😆
生ゴミ放置事件という突発的な騒動はありますが、それ以外の事件は今のところ発生していません。
後はルーテイーン的に清掃など決められた仕事をこなし、本日も午前中に無事終了。
・帰ろうとすると、柱の陰から手招きする人が……
よく見ると、ちょっと小綺麗な中年のおばさんで、このマンションの住人でした。
管理人室を横切る際目と目が合えば軽く会釈をする程度で、余り話はしたことがありません。
何だろうと近づくと、実は……と切り出して、例の生ゴミ放置事件の内容でした。
例の犯人と覚しき婆さんの隣に住んでいるそうで、
ここだけの話だから私が話したとは言わないようにと前置きし、
このところの年末年始の人が少ない折、婆さんが生ゴミを通路やエレベータにさりげなく捨てる現場を何度も目撃したと言うのです。
でもねえ、それを私に話して貰っても、情報源を明らかにできない限りこの類いの話をこれ以上進展させようがないのです。
単にうわさの拡散でしかない。
これはヤバいのです。
私がいい加減なデマを広めていると言われかねません。
下手するとこの仕事を続けられるかどうかもままならない。
信用がすべての仕事ですからね。
なので、具体的にはどうしろというのですかと聞いてみたのですが……
それとなく私の口から婆さんに止めるように言って貰えないかと……
しかし……、これはずるいやり方です。
おばさんは自分の手を汚さず、私を道具にして問題を解決しようとしている。
下手すると、私一人舞台の上で踊っていることになりかねない。
なんとか逃げなければ!
・結局、これは業務範囲なのかどうかってことですよね。
違うんじゃないか……いや、違うと言い張るしかない。 🙄
だとするとどうすべきか……危機が迫っている!
咄嗟に無い知恵を絞り出しまして、
今のお話は重要なので私が聞いたことをそのまま正確に伝える自信がない。
だから、文章に書いてください、それを責任持って理事長に渡します。
この件は私の管理人業務を越えていると思いますので、住人でない私にできることはありません。
すると、その小綺麗なおばさんはちょっと考えてみますと去って行きましたが、
たぶんもうやって来ないでしょう!
こんなところでウロウロしていると、また誰かかやって来そうですぐに帰ることにしましたがね。
くわばらくわばら 😳