婆さんと腐れ縁
・久しぶりにA婆さんとゆっくり話をしました。
たまたま商店街を歩いていて会うなんて、縁があるのでしょうねえ。
かつては私がマンション管理人の仕事をしていたころ、そのマンションの住人であったA婆さんといつもお昼は近くの定食屋に出かけていたのです。
それが途切れてどれくらい時間が経ちましたか……
A婆も少し体が小さくなった気もしますが、口の方は益々磨きがかかっているようです。
その口の方でいろんな人脈から人との輪がさらに広がっているようでね。
その結果として、私の健康状態まで把握されているとはビックリです。
つまり、管理人をやめA婆とは繋がりがなくなった後も、彼女からすると私はまだ興味の対象だったということなんでしょうか……
これをどう捉えればいいのか、私には分かりませんがね。
・というようなことも漠然と理解はできたのですが……
その他に、いろいろ話を聞いているとA婆が商店街にいたのは、
彼女の妹の都合によるものでした。
つまり、A婆の実家はこの商店街で昔から商売をしてきましたが、
今は長女が継いでいて、A婆はご覧のようにマンションで一人暮らし
妹は商店街から少し離れたところで商売をしているらしい。
ただ、このところ体調を崩し寝たり起きたりの生活、
夫はすでになくなっており、不幸にも子供2人もすでにこの世にはいないようです。
そういった経緯のため、ときどき妹の話し相手に出向いているようなのです。
こういう話を聞きますと、この日本の高齢社会の先細り感を強く感じ取ってしまうのです。
そして、どうせ暇なんだろうから、これから一緒に行って話に加わってくれないかと……
まあ、拒む理由もないのですがね。