人間関係は共有できる話題が必要
・不思議なものです。
日ごろはぞんざいに扱っている妻(おそらく向こうも同じ……)ですが、
Yおじさんのように妻に色目使う人物が現れますと、
私の方も無意識に取られはしまいかと……
そんな感情も出てくるものです。
日常はむしろ口数多くてそれがどうでもいい内容で、うっとうしい存在なのですがね。
・それは範囲を広げて、バイト先の焼き鳥屋の人間関係でも同じです。
常日頃は、毎日時間が来るまで与えられた仕事を淡々とこなすのみ。
それで生活費が入ってくるわけで、それ以上のものは何にも期待していません。
しかし、その空間を乱す何かが出現すると、
途端に仲間意識が芽生え結束もするのですねえ。
実に不思議です。
例えば、ほぼ毎日やって来る常連客のWジジイ
私の元上司でさんざんパワハラ被害を受けたいやな爺さんなのですがね。
最近元気がないと思っていたら、どうも癌らしいのです。
そういえば、あの人少し痩せたんじゃないかってスタッフの間でうわさになっていました。
飽くまでうわさです。
スタッフは、私との関係も知っていますから、Wジジイが酒飲みすぎじゃないのかってわざわざ私に聞いてくるのですが、
私に言われてもねえ……
つまり、体に気をつけるように私に言えってことなんだけどね。
それ以前に、彼が癌だということもあくまでうわさレベルだしねえ。
つまり、それにも私に確認しろってことなんだけど……
なんで、常連の爺さんの健康をスタッフ連中が過剰に心配するのかってことなんです。
これが共通の話題になっていて、それが芯になっていてみんなが集まってくる。
つまり、仲間になれる共通の話題が欲しかっただけなのですがね。
可哀想なWジジイよ!