シルバーホームのウチワもらう
・帰宅途中でした。
商店街を歩いていると、おばさんがウチワを配っていましてね。
私の顔を見るとニコニコしながら近づいてきて、ウチワをくれまして……
うーん、いい人だと思いながら、暑い日でしたのでウチワを扇ぎながら歩きだしたのです。
しかし、ふと気付きましてね。
なぜ私の顔を見て近づいてきたのか?
それは、私をターゲットだと認識したからに他なりません。
・そういえば、ウチワを見るの忘れていた。
絵柄を見つつ、裏返すと介護付き有料ホームって書いてある。
複雑だ! この心境……
少なくとも、あのおばさんは私を対象者だと思った。
すると、私はシルバーホームに入ってもおかしくない風貌ということになる?
そういうことね。
すでに爺さんでした。
・また少し歩くと、兄ちゃんがテイッシュ配っていましてね。
すかさず私の手に!
これは……シミが取れますよっていう謎の広告
通りを歩くだけで、どんどん老人化させられていくのです。
向こうからあんたは年寄りだと教えてくれる。
あーあ、つまらん社会だ!