婆さんは私の浮気をお見通しだった
・元浮気相手のバイトの誘いには乗りませんでした。
背後にヤバい空気を感じたからに他なりません。
世の中そんなうまい話もなく、あの女の闇の深さを感じたからでもあります。
それも、かつてかろうじて逃げ切った苦い記憶のなせるわざなのでしょう。
それが無ければホイホイと着いていったに違いありません。
すると、そこに怖い兄ちゃんが待っていて女は私を紹介し去って行く。
そこが地獄の一丁目で、恐ろしい世界への入り口です。
が、そうは行きません、逃げるのみ!
・もうあの食堂に行くこともないでしょう。
翌日マンション管理の仕事が終わる頃、いつものように婆さんが待っていました。
一緒に昼飯へ!
しかし、今日は別の場所にしようと言う前に、婆さんは美味い飯屋知ってるからと言ってスタスタ歩いて行きました。
方角は全く別で、似たような大衆食堂で……
席に着き注文するなり、
「あんた、昨日の女知ってるんだろ?
関わらない方が良いよ
あんた、気の弱そうな騙されやすい顔してるんだよ。」
お見通しでした!
私は、女が十数年前浮気相手だった話や危ないところで逃げたこと、それにまだ相手は私に気付いてないことなど話すと、
まあそんなところじゃないかと思っていたがね。
あんた正直者だから赤子の首ひねるようにやられてしまうから、
関わらない方がいいよだって
恐れ入りやした!