元上司爺さんの企み

・元同僚Ｓ山さんから忠告がありました。

元上司の爺さん（Ｗジジイ）が、この近くに住んでいるというＯＢ（元部下たち）も加えて、酒でも飲もうかという案

そして、酒宴の場所が私のバイト先のこの焼き鳥屋でという提案

この話に絶対乗ってはいけないと…… 🙄

実はＳ山さんに言われるまでもなく乗り気ではなかったのですがね。

・別にＷジジイがいなければ、元部下たち（元同僚たち）の集まりは歓迎です。

しかし、Ｗジジイがいると、元上司と元部下になり、結局昔の力関係そのものになってしまいます。

Ｗジジイの性格は変わりようがないし、

自分からあれこれ世話を焼くようなことは絶対にしないはずですからね。

子分（つまり、我々）が面倒見て、お上手して……

これって昔のままじゃないか！

そうなんです、環境が変わっても一度形成した主従関係はおいそれとは消え去らないのです。

徐々に明日の姿が鮮明になってきました。

・じゃあ、Ｓ山さんは？

放っておけば良いのに、なぜＷジジイと会って話をしたのか？

彼はＷジジイの今の境遇（奥さんには逃げられ孤独で可哀想な状態）が、

彼の考え方を変えたのかどうか確認したかったのだと！

まあ、それならばＷジジイと接触したのもわからんでもないけどね。

Ｓ山さんの予想でも、彼が自分から汗をかくことは絶対しないし、

あれやれこれしろと徐々に要求が厳しくなってくるはずだ。

我々のことは所詮駒としか見ていない。 😈

特にあんたはお人好しだから、くれぐれもちょっとくらいならなんて思っちゃダメだと！

私は一番手玉に取りやすい部類の人間だそうで……

入り口のところでシャットアウト、これしかないとね。

じゃあ、なぜＷジジイが変わっちゃいないとわかるんだい？

目だよ！

冷たい目は変わっていなかった。

つまり、脳も昔のままだということだよ！

…………