婆さんが突然の入院
・A婆さんのことですがね。
つまり以前マンション管理人をしていた時のそこの住人で、昼飯を二人で食べに行っていたあの婆さんです。
今はグループホームに入所し、仲間の婆さんたちと日々暮らしています。
多少痴呆の気も出てきましたので、ちょうど良かったと私は思っていたのですがね。
その婆さんがここしばらく音沙汰なかったので、ホームに様子を見に行ってみたのですが……
なんと、外を散歩しているときに石にけつまずき転倒、骨折してしまったとのことでね。
一週間ほど前のことだそうです。
これは大変だ!
・急いで病院に様子見に行ってみました。
すると、神妙にベッドに寝ているじゃありませんか!
私の顔を見るなり、来るのが遅いと!
すまんすまんと謝りながら、元気そうじゃないかと……
しばらく世間話をしましたが、寝ている間何もすることもなく少し痴呆が進んだような気もします。
やはり人間は立って何か作業をしていないと、バランス上おかしな事になるのでしょうかね。
まあ、思ったよりは大したこともなく、でもリハビリもあるため、あと数週間はかかるようでしたが……
でも、大部屋なので周囲の人の目もあり、私もそろそろ帰ろうとするのですが、
なかなか返してくれないのです。
まだいいじゃないかとか、隣の婆さんにこれうちに息子ですとか……適当なことをいいながら
気がつけばこちらも息子を演じていたりしましてね。
しかし、人間最後はどこかで終わりを迎えるわけです。
腐れ縁といいますか長い付き合いになってしまったので、しばらくは世話をしてやろうかと思った次第です。


息子だったら遺産を残してくれるといいですね。
よれよれさんは親身にお世話したんだから貰う資格ありますよ。
なかなかのくせ者ですから、それはないでしょう。
棺桶に札束詰め込み一緒にあの世に行くタイプです。