婆さんのうわさ話はとかく気になるもの

・私がマスターをしているパン屋併設のカフェには婆さんたちもやってきましてね。

いろいろ噂の花が咲くわけです。

まあ、お年がお年ですから恋の花はあまりなく、どちらかというと隣近所の人間関係。

つまり、お隣の嫁が態度がでかくて挨拶もろくにできないとか、

あそこの亭主は酒が好きで体の調子を崩しているようだが、酒に飲まれたら終わりだ、

とか……

・まあ、どうでもいいレベルです。

すべてお隣が解決すべき者だし、他人がとやかく言うことでもない。

しかし、だからこそ言いたい放題で情報共有されますとね、

そんな我が家の探られたくない部分をなぜかみんな知っていたりする。

しかも、尾ひれが付きますしね、ここですよ問題は!

話を面白くするためにはもっとこうあるべきだとか、こんな内容の方が面白いなあなんて、

いろいろ妄想が膨らんでしまうようでしてね。

そんな感じで知られたくない部分に尾ひれが付いてしまうと、

考えようによっては言われた側は不幸のどん底に落とされてしまうわけです。

・でもねえ、周囲が期待してしまうほど、当事者はさほどの内容でもない。

そのうちに周囲が探りを入れに来ますから、そのときあれ? ちょっと違うぞとなるわけでね。

すると、うわさが急激にトーンダウンしまうわけです。

ということを、私はカフェで毎日見ているのです。

しかし、顛末はともかく、つかみはうまいのです。

さも、横で見ていたかのような臨場感で隣の夫婦げんかを話し出す。

それはもう講談師顔負けの風格や間を有し、客を一気にその世界に引き込んでしまう。

・だから問題なのです。

近くに大手スーパーができるという話もですねえ、私の動揺を高感度センサーで察知し、

尾ひれをつけながら毎日カフェに来てはバージョンアップさせた内容で語り出す。

そして、私の反応をさりげなく見ながら、今ひとつ興味を示さないようだと翌日少し話を変えてみたり……。

これって明らかに私の不幸を楽しんでいるよねえ。

嫌なクソばばあだ!

でも、お客様ですから口が裂けてもクソばばあとは言えませんが、この辺がねストレスがたまるわけでね。

そんな婆さんに限って毎日来てくれる上客だったりするのですわ。

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