爺さん仲間に未来はない
・爺さんも基本的には男性です。
肉体は老いていきますが、頭の中は老いても思考に変化はないようです。
つまり、男は理屈優先、婆さんのように口数勝負の世間話のような形態ではありません。
結論に向かってまっすぐ話は進みましてね。
これが別角度から見ると無味乾燥な部分も含んでいるわけです。
つまり、もう会社社会とは隔絶されていて仕事の要素もなく、時間も十分にあるわけだから、
もっと肩の力を抜いてゆったりと世間話をしようよ……。
・でもねえ、昔の癖から抜け出せないのです。
どうもカンカンガクガクの議論を好んでしまう。
会社帰りの飲み屋でよく同僚たちと、「我が社の仕事は……」てな感じでやっていたあれです。
もう先が短いのだからそんな昔のこと忘れればいいのに、
そして昔の仕事の話はさすがに出ては来ませんけど、類似の話を引っ張り出して意見を戦わせたい!
何なんですかねえ、これって?
ご近所シニアの飲み会の光景でありますが……、
しかし、たまにはこれも必要ではないのかって思ったりするんですよ。
なぜって?
皆さん昔に戻ったように目をぎらつかせ、そこは君違うんだよってな調子で酒をあおりながら議論やっている。
その内容の多くは昔の自慢話なんですが、飲み会に参加した方々はお互いの現役時代の姿を知りません。
隣近所にたまたま住んでいる人ばかりですからね。
・そして、これがまた安心感を与えるのですよ。
いくら大風呂敷広げたところで、みんなそれが嘘とは思わない。
私はもう少しのところで社長を逃したんですがね、惜しいとは思っていないんですよ。
なんてねえ、その人物がそんな器でないことは、話している内容を聞けばわかるのですが……
酔いも手伝って口から速射砲のように自慢話が出るわ出るわ。
でもこれが大事なのですよね。
こんなに日ごろの憂さを晴らせる場所なんてそうはないのです。
ですがね、私だけ聞き役……なぜか?
大風呂敷を広げるネタすらないものですから……次まで用意しておこっと?

