平凡な一日の裏側
・朝目覚め、朝食をとり、パン屋に向かう。
併設のカフェでマスターとして働き夕方帰宅。
夜は妻と酒盛りをしたのち、シャワーを浴びお休みなさい。
こんな生活を一ヶ月繰り返せば、年金の不足分をなんとか得ることができていたのです。
しかし、そんな平凡で平和な日々の裏側で密かにいろんなことが進行しておりました。
例えばパン屋の近くに大手スーパーができるという話です。
工事が着工するまで余り実態すらわからない状態でね。
人の噂もありましたが、あくまで信憑性に疑問符が付いていましたから、
そもそもそんな話など嘘だと信じたいわけでね。
真実を極力見ないようにしてしまう自分もいました。
・しかし、更に追い打ちをかけるように、より深刻な事案が発生しました。
そうなんです、パン屋のオーナーが土地を売りに出すという話です。
パン屋周辺の開発がらみの話があり、元店主オーナー土地を売却し得たお金で余生をシルバーマンションで過ごしたいと!
私にはどうしようもないのですよね。
大家がそう言うのですから……
それに、歳取って突然舞い込む大金で余生を幸せに過ごせるのであれば、私だってそうします。
しばらく音沙汰がなかった元店主がやってきて、その話になりましてね。
私たちもこの店で働かせてもらったから食いつなげたようなものです。
妻も同じ考えで、店を閉じることに同意しました。
まあ、今までなんとかやってきましたから、なるようになると思えばなるでしょう。
閉業まではしばらく時間はありますが、そのときまではここで働くということでね。


そうですか、せっかくパンづくりをマスターされ、カフェとして切盛りされてきたのに残念ですね。私は手に職がなく、毎日会社で嫌々仕事するばかりです。
コメントありがとうございます。
先のことは予測が付かないわけでして、なるようにしかならないのですね。
逆に、面白いことに出会える可能性もある。
そう考えることにしました。