妻の焼きもち

・パン屋のお客が減少気味であることに危機感を募らせています。

そのため、いろんな対応をしているのですが、

やはり、できることと、すぐにはできないこともあります。

で、差し当り接客をもっと丁寧にと考えましてね、

特にカフェの方が私の担当ですからなんとかその辺りから突破口を開こうとね。

たとえばちょっとしたことでも話し相手になるとか、いろいろあるのです。

すると、爺さん婆さんは話しかけてくれると心を開いてくれることもありましてね。

毎日一人でやってくる婆さんがいまして、

いつもポツンと一人、壁際でコーヒー飲んでパンを食べている。

・そこで、折に触れ短い会話を心がけているのですが……

相手も喜びましてね。

ところがです、ときどきカフェにやってくる妻の目に留りましてね。

一度や二度ならず、けっこうな頻度で私がその婆さん(比較的婆さんのジャンルでも若い方)と話していることに気付きましてね。

またあの人と話しているみたいな感じで、疑惑の目を見せるようになってきているのです。

その婆さんは、けっこう魅力的な側面もありましてね、妻もその辺を瞬時に見抜き何かを感じ取っているようでね。

つまり、これは……焼き餅?、わかりません。

まさか一足飛びで不倫疑惑ってのはあり得ませんから、ちょっとした女同士のライバル意識?

まさかねえ、いい歳して……すでに枯れてしまっている私ですから、人畜無害です。

でも、焼き餅焼いてくれているのであれば、案外妻も可愛いところが有るじゃないかとも思っていますがね。

問題は、妻のこの精神状態をどう沈静化させることができるかということなのです。

困ったもんだ。

今の状況では、婆さんは数少ないお客様であり神様ですからねえ。

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