元上司の生前の男女関係あれこれ

・現役時代いじめられたもとパワハラ上司Wジジイもこの世を去りました。

いかなる悪人であろうと死んでしまえば皆仏、そしてもう忘れてあげよう過去のことは……

と思っていたのですがね、それがそうもいかないのです。

私の心の中は一応上記の考え方で整理が付いたのですが、

そして元同僚たちも程度の差はあれど、故人の攻撃はもうしなくなりました。

ところが、例の女の件です。

・私が最近フードコートでたまたま出会った元取引先B社社員の年配女性です。

一応、F子さんとしておきましょう。

元同僚の話では、Wジジイとできていたと判明、しかも有名な話だったのですが、私だけ知らなかったようでして……。

当時なんで話してくれなかったんだ、あんたが鈍いだけだ、なんて一悶着もありましたが……

まあ、それはもう過去の話だから、Wジジイの見えざる裏の人生を知ってしまったわけです。

ところで、話はそれにとどまらず、Wジジイの奥様も実は知らなかったし、

一説には隠し子がいるという話もあったようです。

ところが……本当だったようでね。

・奥様から、先日、おたずねしたいことがあるということで、私以下Q前さん、P谷さんが呼ばれたわけです。

私は全く知らなかったので、話すこともなく横で座っていたのですが、

P谷さんとQ前さんはうわさですからと、多くを語らず口を濁しておりました。

ところが、隠し子の話になると事態は急変!

奥様は急に目をつり上げ、厳しく我々を詰問し出すのです。

おいおい。ちょっと待ってくださいよ!

Wジジイは元上司という関係だけど、奥様は会社とは関係ないだろうに……

夫婦そろって、私たちを上から目線で見ていることにあきれかえり、

適当にごまかして帰りましたがね。

嫌になっちゃうよね、

会社とは関係ない人物が勘違いしていることにちょっと腹の虫が治まらず、

帰りに飲み屋に寄りましたわ。

そこで、改めて隠し子の件は……という話になったのですが、

・Wジジイの手下的存在だったQ前さんが、酔いに任せついに重い口を開きました。

「本当だよ、隠し子はいる」

「……」

現役時代、内々にWジジイの指示でそのB社F子に封書を届けたことがあるそうです。

それが、手渡す場所がB社ではなく団地の一室で……そこに女の子も一人居たそうです。

そんなことが数回……それが証拠になるのかどうか……

でも、今思えばその女の子がWジジイによく似ていたと……

だから、そういうことではないかと、当時から思っていたというのですがね。

そんな一級品のネタをなぜ今まで話してくれなかったんだと、私もP谷さんも憮然としましたがね。

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