疑惑の心は消えない、ああ恐ろしや
・人間の感情はドロドロとした部分がございます。
以前、カフェにやってくる婆さんが私に心を開いてよくしゃべってくださると……報告しました。
しかし、それを見た妻が嫉妬に似た感情を持ったようです。
相手がもう若くもないのに、仕事の上のことだから冷たくもできませんしねえ、
その辺の事情を話したのですがね。
一応は表向き納得したようでもあり、そうでもない。
・そのシニア女性はほぼ毎日やってきます。
それを妻の鋭いアンテナがキャッチし、それとなくカフェの方をのぞきにやってくるわけです。
いい加減にしてくれないかと家に帰ってから言うのですがね。
商売だからしょうがないじゃないかと……
すると、別にカフェに顔を見せるくらいいいよね、
なにか都合悪いことでもあるのですかと……
めんどくさい!
そのシニア婆さんは昨日もやってきて、ひとしきり身の上話をしたのち帰って行きました。
・妻の心の中には、日々少しずつドロドロしたものが堆積していくのでしょうね。
そして、それらが複合的に作用し……、妻の結論の方向性は決まっていますから、
そちらの方を指示するような事実が記憶に残っていくはず。
すると、益々疑念の心が強まり、シニア女性に敵対心が形成される。
それと連動して私に対する風当たりも強くなるだろうと予想されます。
・そろそろ何かいい手を打たなければと……
で、その婆さんがやってくる時間帯が大体決まっているので、
その頃私はカフェを離れ、妻と交代する策を提案したのです。
その提案でもって、私は特に二心がないことを妻に証明し、
妻もそのご老人女性がどのような方か直に観察できるようにしたのですがね。
めんどくさいでしょ。
しばらく様子見です。