ジジイは一匹狼で絶滅危惧種
・基本的に原則というのがあります。
つまり、平均寿命が女性の方が圧倒的に長いということです。
年々ジジイの深みにはまっていきますと、
町を歩いていても同年齢の爺さんに出くわす率が低くなってきましてね。
高齢社会となった日本ですが、お年寄りはわんさかいるわけですが、
圧倒的に婆さんに出くわす頻度が高いのです。
すると、なんとなく自分が爺さんだと認識する機会が増え、
この社会では高齢ジジイが絶滅危惧種であることをしみじみ認識するわけです。
であるならば、おれは絶滅危惧種なのです。
・必然的に守られなければならない立場なのです。
しかし、このままではいけません。
社会は爺さんは少数派であり、何事につけ婆さんに凌駕されていく運命です。
一体何が原因なのでしょうか……
平均余命が女性の方が長いという基本はあるものの、
その線に沿って、だから少数派の爺さんをより労ろうという風潮は感じられません。
おそらく、これは私の独断と偏見なのですが、女性は弱いものという先入観念です。
なるほど若者や成人レベルではそうかもしれません。
体力的に男性の方が勝っています。
しかし、しかしですう……老いた状況におきましては、すでに立場が逆転しているのです。
爺さんの体力は見る影もなく低下しておる。
逆に婆さんは一見して骨粗鬆で体が小さくなったようでいて、
内部にはまだ十分エネルギーを貯蔵しているのです。
・さらに指摘しておきたいのは、知的人類の特徴は口です。
言葉で相手に対峙するのであって、集団としても協調という立場では婆さんは強大な力を発します。
ところが、爺さんは基本的に一匹狼です。
そして、喋らない。
これはもう丸腰で戦っているようなものでしてね。
勝負にならないのですよ。
ということまで考察しましたが、これ以上考えても結論は分っているのでやめます。
ジジイはジジイらしく絶滅する、これです。