腐れ縁は歳を取るほど大切に
・最近しみじみ思うのですが、いわゆる腐れ縁というやつです。
特に明確な理由もなく繫がりつつ別に意識もしないで、
あるときは太くあるときは消えるほど細く関係を持ち、
気付けば年取った今も繋がりが有る友人、知人、……妻もそうかもしれません。
老いれば老いるほど周囲の人間も老いていくわけで、
旅立つ人間も散見されてきます。
すると、気楽に心を開いて話ができる人も少なくなってくる。
そんなとき腐れ縁の関係である人たちは輝きを見せてくるのです。
いまさらけんか別れということはありませんし、
それ以前に相手の性格や私がこういえばああいう風に反応するという予測も立ちます。
ずいぶん付き合うのが楽なのです。
そんな人も年々少なくなっていきましてねえ。
寂しい限りなのですが、だからといってすぐに補充できるものではありません。
・たとえば元同僚のS山さんもその一人です。
会社ではお互い虐げられていた過去がありまして、傷口をなめ合ってきたのです。
そして、その記憶が今も心に残っているからこそ今の付き合いがある。
二人で酒を飲んで愚痴った過去は大事です。
おっと、もう一人いました。 H田さん!
すでに旅立たれましたが、つくづく思うのです。
なんだかんだ言いながらも生きてるうちが華であると!
死んでしまえば日々忘れ去られていくのです。
最近、S山さんと酒を飲んでいてもH田さんが話題に上る機会が少なくなりましてね。
そんなものなのでしょうかね。