ラブホテルへの道
・私が住んでいるマンションの並びにラブホテルがあります。
外に出ると比較的広い通りがあり、それに沿って歩道があります。
左の方に50メートル余りでしょうか、一軒のラブホテル。
たぶん五階建てで、以前妻が清掃に行っていたホテルではありません。
それはずいぶん離れた場所にあります。
それはそれとして、JRの駅に行くにはホテルの前を通らざるおえません。
遠回りすれば駅に行けますが、何もそこまでする必要はないのです。
で、バイトに行くため或いは帰りにホテルの前を通りますが、
・よく男女のペアに会うわけです。
もうずいぶん長い間歩いていますから、
どのペアがホテルに入るのか……或いはホテルからの帰りなのか……
雰囲気で分るようになってしまいましてね。
向こうが私の存在を確認しますと、一瞬動作が緊張するのです。
或いは歩幅が乱れたり、
女の方は私を認めると急にハイになって笑ったりする。
なんでそんなに気にするのか……
それはそういう行為をすることに何か羞恥の心を持っているに他なりません。
むろん犯罪行為ではありませんし、後ろめたく思う必要もない。
でもねえ、不倫とか人知れず行うのであればそうなるのかなあ……
あまり出入を目撃されたくはないのでしょう。
或いは、探偵事務所の捜査員と間違われている?
まあどうでもいいのですがね。
私はこの歩道を通らないと駅に行けないのです。
ただそれだけ!