貧乏シニア切り捨て社会
・さて、バイト先の店主がコロナに罹り、パン屋は前倒しで夏期休暇となっています。
家とバイト先の往復の毎日でしたから、
突然状況が変わってもなかなか対応できません。
糸の切れた凧のようにふらふら外出する毎日がはじまりました。
しかし、日ごろ顔を見せない人間が急にしかも日に何度もやって来ても、
うっとおしい奴だと思われるに決まっています。
すると、勢い行き先がなくなってきましてね。
しかも金がないものだから、コスパの良さを最優先に考えますと、
これだけ広い町に住んでいても案外行く場所がないのです。
・そして、それは年金受給者のシニア共通の悩みでもあることに気づかされました。
貧乏シニアの行動パターンなのです。
類は友を呼ぶといいますか、私が行こうとする場所には必ず似た人物がいます。
なぜわかるのかって?
それはですね、醸し出しているものがあるのです。
それに、類似の服装です。
一見、ハイキングスタイルで……ベストのようなものを着て、リュックを背負い、帽子を被った爺さんが多いのです。
誰に話かけるでもなく、一人寡黙にうろうろ、こちらを見るとあんたも同じだねって感じでねえ。
ちょっといやなんだけど、仲間がここにもいるって感じさせてくれて、
少しは安心してしまう自分がそこにいる。
さみしいかも……