婆さんと会食

・まあ、会食といいましても、かつて良く通った定食屋です。

レストランや割烹なんてところではない。

そんなところにはもうずいぶん入ったこともありません。

ところで、定食屋の前に行くと、A婆はすでに店頭で待っていました。

まだ約束の時間には15分ほどあるのですが、よほど腹が減っているのか、私に会いたいのか……

たぶん腹が減っているんだとは思います。

・店内では相変わらずというか、

取り留めもなく次から次へとどんどん話が出てきましてね。

1つ1つの内容は全く大したことはありません。

玉石混在にはほど遠く……

ただ、その大量の岩石の中にたまに興味を引く光る石もあるのです。

これが重要です。

たとえば元バイト先の焼き鳥屋の今!

けっこう関心はあります。

不本意ながらやめることになってしまった関係上、

あの店は今どうなっているのかはときどき思い出すこともあるのです。

A婆がひとり言のように、

「あすこの店ももう終わりかもしれねえなあ……」

と、遠くを見ながらつぶやくのです。

「えっ!」 と、食いつく私

・いろいろ根拠を聞いてみると、

筋の良くないバイトを雇ったばかりに、連日その仲間が入り浸るようになった。

そして、大騒ぎ!!!

今では常連客さえ近寄らなくなってしまい、客足が急速に衰えている。

しかも、連中は入り浸るだけであまり注文はしてくれない。

出禁のギリギリの線で店内でたむろしている。

何かそこには意図がありそうだが、

それが分ったとしてもあの店主ではなにもできないだろうと……

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