シニア妻の体力

・やはり腐れ縁というのでしょうかね。

人間同士が割と狭い空間で、一日のうちかなりの時間一緒にいて、

それが数十年続いているのです。

愛やらヘチマやらというのは若いうちの話でした。

今振り返るとね……

若いうちは若い肉体もありましたから、欲望もギラギラしていてね。

お互い求め合ったものですが、

数十年の時を経るうちに体は醜くたるんでしまい(お互いです!)、

もういくら発情しようとしても無理です。

いくら昔のイメージを掘り起こそうとしても、

目の前にあるのは肉体じゃなく塊(かたまり)なのです。

得体の知れない塊が息をしつつ声を発し、飯を食べたりする……

不気味です(お互いです!)

・しかし、こんな生活が今に及びますと、もう慣れました!

これはねえ、素晴らしいことです。

対応力といいますか……

そして、年々体力も落ちてきましてね。

体に粘りが無くなってくる。

若いころは想像もできませんでした。

今さら体力のあった若いころに、あれをしておけばよかったとかいろいろ思うのですが、

もう2度と戻りませんからねえ。

しかし、横でわりと昔に近いレベルで体動かしている塊がいます。

妻です。

妻は塊になってからもわりと体が動いているようです。

その点、私はただの塊になってしまい、

あとは本当に固まって動かなくなるのを待つのみです。

トホホ!

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